テーマ 「念仏〜今、私が出遇うべきもの」

「 倶会一処 」  〜  「ありがとう ありがとう」


 梅雨明けとともに連日の猛暑・酷暑の夏となり連日熱中症患者のニュースが報道されております。
また・・・8月20日に広島では集中豪雨による土砂災害が発生し多くの方が犠牲になりました。
お悔やみを申し上げます。又、被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。

 30年程前の事。亡くなった伯父の新盆も済み、納骨でお墓に参った時もこんな暑い日でした。その焼けつくようなお墓に 「 倶会一処 」 と刻まれておりました。
若輩の私はその意味を当時の住職であった父に聞いたところ、(学校で教鞭を取っていたわりには口数が少ないひとで)自分で調べなさい・・とでも言いたげに・・・『仏様に会いに往くと言うことだよ・・・』と一言。当時まだ若輩の私には解ったような解らないような・・・

『倶会一処』 仏説阿弥陀経の中に・・・得與如是(トク ヨ ニョゼ)諸上善人(ショジョウゼンニン)倶会一処(クエイッショ)舎利弗(シャリホツ)・・・・・

〜聖典によると もろもろのすぐれた聖者と(トモ)に一処(極楽浄土)に会することを()ればなり?
とあります。   〜みなこれ諸上善人の倶会一処の姿なり〜

 「倶に一つの処で会う」  私たちは亡くなると、必ず極楽浄土で、親しかった人達と再会できるという意味です。そのあとに

・・・・(シュウジ ミョウ ゴウ)・・・・一心不乱(イッシンフラン)(ゴニンミョウシュウジ)阿弥陀仏(ア ミ ダ ブツ)・・・・顛倒(シンプテントウ)往生(ソクトクオウジョウ)阿弥陀仏( アミダブツ)極楽国土(ゴクラクコクド)・・・

一心不乱に南無阿弥陀仏と(トナ)える者は生命の終わる時に阿弥陀如来に迎えられ心安らかに仏の国に生まれる。 とあります。

亡くなったご先祖様に、恩師に、親しかった人達と、そして父・母に会えるということです。

親に会ったとき『頼りないと思っていたお前だったが お前なりに一生懸命に生きてきたんだな』と頭をなでてもらえる生き方をして会いたいものです。

自分が先に亡くなったのなら、この私に会いに来てくれる人を持てるだろうか。


 皆さん「ドリフターズ」はご存知と思いますが、14年前にメンバーの荒井注さんが御病気で亡くなり(2/9/2000) 、その告別式をテレビのワイドショーで中継されていました。 

(このお話はどこかの法話で紹介していた記憶もあるのですが・・・)

当時リーダーのいかりや長介さんが弔辞を述べられ、荒井注さんの人となりを一通り話された後・・

『行くなとは言わない、気を付けて行け。着いたら場所を取っておいてくれ。俺も行かねばならないから・・』 『いずれまた・・・』  と 締めくくったのです。

その4年後・・そのいかりや長介さんがお浄土に往かれました(3/20/2004)。 そのお別れ会で加藤茶さんが弔辞で 『リーダーよ〜 そっちでいきなり全員集合なんて言わないでくれよな〜 すぐには行けないからさぁ〜 』 

いかりや長介さんから加藤茶さんまで、 「宿題やったか?・・」 「歯みがけよ!・・」 この心想う気持ちが子供からお年寄りまで老若男女を問わず虜にしたドリフターズの由縁でしょうか。

死んでなお、大切な友人と会いたい、と言う思いがそこにあるのです。

また会える世界なんて?・・〜  科学的に説明できない世界など?・・〜  確かにそうかもしれない。

でも、また会いたいと願う心は深い絆で結ばれているからではないでしょうか。

『倶会一処』 の教えは残された私たちを支えてくれる大切な教えであり、生と死を分かつのではなく、生と死が共にあるという教えではないでしょうか。

 門徒さんであり、私の友人が先日のお盆にこんなことを話してくれました。

『 20年前の事。父が病気で危篤状態になり、お医者様の必死の治療で回復した時に父が一言「仏さんが、おまえはまだこの世でやることが有る。とおっしゃって連れて行ってくれなかった・・」と言い 以後20年何事に対しても「ありがとう ありがとう」と言うのが口癖になりました。その父が昨年5月19日に突然亡くなり、その臨終のときに父が一言「やっとお迎えだ・・・ありがとう ありがとう・・・」でした。 〜享年106歳〜 その半年後11月24日に母の臨終に立ち会い、無意識に「ありがとう ありがとう・・」と言っている自分がいました。父・母はお浄土に還られた・・・ご先祖や知人らと蓮の池のたもとで再会を喜ぶ姿が目に浮かびます。父に教わった 「ありがとう ありがとう」 を、母が言わせてくれました。 』

こう しみじみと語ってくれました。

会いに行かねばならない人がいて・・・

自分が亡くなったなら、私に会いたいと思ってくれる人を持ちたい・・・

必ず行かねばならない場所をちゃんと見据えて・・・

   南無阿弥陀仏  南無阿弥陀仏  南無阿弥陀仏  ・・・

    合掌

願正寺  吉田 彰誠