持法会御書

平成31年 持法会御書

本日、ここに慈光照護のもと持法会の勝縁に参集されました事、嬉しく存じております。

また、御同行の皆様には日頃より念仏護持、寺院護持に御尽力を賜り、深く感謝致しております。 

さて、昨年は年間を通し、各地で記録的な災害に見舞われた年となりました。災害により多くの方が亡くなられた事は誠に残念であり、また唐突に死別を余儀なくされた方々の痛切な思いは筆舌に尽くし難いものであったかと思います。また私もこれらの事に思いを致す上で、改めて私達は明日をも知れぬわが身でこの娑婆世界を歩んでいる事を感ずる次第でございます。

特に、親鸞聖人が七高僧の一人としてあげられた善導大師が作られた『往生礼讃偈』には、

『人間は毎日忙しく仕事をし、自分の命がなくなってゆく事に気がつかないものです。それはちょうど、風の中にある灯火がいつ消えるかとも知れない様なものです。ですから、今こそ自ら努め励みつつ、涅槃のさとりを得る常住の法を求めなさい』

と書かれています。

私達のいのちは風中の灯火の様なものであるのにかかわらず、私達は常に我執・我欲にとらわれ、この無常の世で壊れゆくものばかり頼りにして、本当に見つめなければならない、いのちの大問題を疎かにして人生を歩んでしまっています。

ですから、私達は一刻も早く、我々凡夫を仏と成らしめ、決して崩れる事の無い覚りの境地に至らしめて下さる阿弥陀仏の御教えに出遇い、自らの往生浄土の道を訪ねていかねばなりません。

阿弥陀仏は、自らのいのちの行き先も定まらず、右往左往としている我ら凡夫を憐れみ、歩むべき道をご用意して下さっています。親鸞聖人は、その道こそ他力念仏往生の道である事を教えて下さいました。
私達は娑婆世界の命が終えるまで、煩悩にまみれながらこの人生を歩んでおりますが、この様な私達であっても必ず御浄土へと導いて下さる阿弥陀仏の広大深遠なる大慈悲心に頭を垂れて、仏様の御教えを一心にいただいていきたいものでございます。

御教えのお育てに預かりながらこの人生をお念仏と共に歩む事こそ、仏様の御教えに出遇わせて頂いた者としての大切な歩みであります。どうぞ本日ご参詣の皆様も、阿弥陀仏の仏恩の深き事を偲びつつ、日々の仏恩報謝の日暮らしを篤くお続け頂きますよう、宜しくお願い致します。

合掌     

南無阿弥陀仏  南無阿弥陀仏

平成三十一年 誠照寺 法主 釋秀瑞 (御判)